もしサザエさんの家を建て替えたら・・というものを考えてみました。
デザインのルールとしては、アニメの中で本当に建て替わったとしても世界観を壊さないようにするため、次のルールを定めました。
・家屋の前に家族7人が並んでも違和感を感じさせないこと。
・家族の生活が大きく変わらないこと。
・変更が加わった点は、実際にアニメに出てきても違和感を感じさせず、物語が本来持っている魅力をさらに引き出し、奥行きを深めるものであること。
では、まず外観です。

和の趣のある玄関はそのままに、これまで板壁だった外壁はセラミック製の近代的な外壁に変わりました。
普及品の窯業系サイディングと異なり、経年変化で水分が染み込むことでくすむようなことはなく、外壁材が持つ元々の高い質感も相まって、板張りの壁と比較しても甲乙つけ難い高い質感を実現しています。

お茶の間に次いでこの家の象徴となるスペースである縁側も、もちろん健在です。
2階建てである点が気になるところでしょうか。
どうなっているかは後で解説しますが、間取り図は次の通りです。

基本的な間取りは殆ど変わっていません。
こちらを変えてしまうと、アニメの世界観が大きく変わってしまうためです。
間取りが殆ど変わっていないので、お勝手口側の1階の外観はお馴染みの通りです。

部屋割りでアニメと異なる点は、子ども部屋が少し変わった形をしていることと、波平さんのお部屋と客間が入れ替わっていることくらいでしょうか。
入れ替えた理由は、これまでの客間の場所だとお茶などを出すために扉を開けるとリビングルームが丸見えになるからです。
波平さんのお部屋からお茶を出せばこの問題は解決できますが、居間と客間が襖1枚隔てて向かい合っているより斜めにレイアウトされている方がそれぞれのお部屋の話し声などが聞こえにくくなる期待もあります。
一家の大黒柱である波平さん、フネさんも、この方がより家族の存在が身近に感じられると思います。
それから、トイレの位置を変更しました。
オリジナルでは建物の端から突き出すようにトイレが配置していたと思います。
これは、昔トイレが汲み取り式だった時代の名残です。
家屋内に臭気が立ち込めることを防ぐため、昔はこのようにレイアウトが主流でした。
今は水洗ですのでその必要はありません。
建物は、構造やメーカーを問わず単純な形状の方が地震などの大きな外力が加わった時のダメージは少なく済みます。
基礎工事、躯体工事、外壁工事などの建築費も単純な構造の方がメリットが大きいため、トイレを中に入れることにしました。
トイレを中に入れることで、そこに面する部屋は日当たりが若干悪くなります。
これも、波平さんのお部屋と客間を入れ替えた理由の一つです。
客間は日常的に使う部屋ではありません。
おもてなしのお部屋であることを考慮しても波平さんのお部屋の陽当たりを優先すべきでしょう。
お客様にトイレの位置を案内しやすいといったメリットもあります。
そしていよいよ2階です。

階段は縁側の突き当たり、サザエさんのお部屋の隣に設置しました。
サザエさんのお部屋の隣に階段がある理由は、その真上をタラちゃんのお部屋にするためです。
フグ田家の部分が上下階で大きく位置を変えずに垂直利用する形となります。
床板1枚隔てるだけなので、家族の存在を近くに感じることができます。
タラちゃんのお部屋の前を通って奥に進むと、洋間のホールに辿り着きます。
この空間は、これまでのアニメ作品の中では登場しなかった場所です。
こんなのがあったらアニメの世界観が壊れないか気になると思います。
これは私一個人の感覚なので、気にならないと言い切れないのが残念なところです。
波平さんもフネさんも時々、気分を変えたりイメチェンを称するエピソードなどで洋服を着て出かけるようなシーンが度々登場します。
これと同じような感覚で、たまには気分を変えてコーヒーを飲みながら本を読むようなシーンで使われることを想定しています。
ダークブラウンのフローリング、漆喰の壁といった大正から昭和にかけて流行った和洋折衷のお部屋に、白を基調とした2人掛けのカフェテーブルを置くようなデザインを考えました。
ホールからはルーフバルコニーに出ることができます。

ルーフバルコニーに盆栽を置けば、カツオ君に壊されるリスクを減らすことができるでしょう。
正面の屋根を切妻屋根にしなかった理由は、建物を低く見せるためです。
背が高いと、玄関前に家族7人が並んだ時に違和感を感じるからです。
ホールはガラス1枚挟んで子ども部屋と吹き抜けになっています。
ガラス越しに勉強机を見ることができます。
ガラス1枚挟んでいるので、話し声等は聞こえないし、角度の制限で勉強机以外の部分を2階から見下ろすことはできません。
勉強が苦手なお子さんを親の監督下で勉強させる時、キッチンから見える場所にお子様を座らせて勉強させることが多いでしょう。
でもこの方法は、ノートの別のページに絵を描いていたり、教科書の裏にゲーム機を隠してゲームをしていてもわかりません。
家事を済ませてリビングに戻ってきそうな雰囲気を感じたら教科書の裏側に隠したゲーム機を片付ければ良く、親の行動が子どもからも把握されてしまっているため、期待するほどの効果はないのです。
こちらの間取りだと、子が親の行動を読むことはまず不可能です。
一生懸命勉強するしかありません。
しかしながら、いつ親が見ているかわからない机に1日何時間も座らせることは虐待以外の何者でもありません。
全く緊張感を解くことができない環境に何時間も身を置くことは、精神バランスを壊す原因にもなります。
そこで、1日1時間半だけ机に座らせることを強制します。
そして、机に向かっていた時間を抜き打ちで子に尋ねるのです。
親がいつ見ているかわからない以上、嘘を答えるわけにはいきません。
1時間半の根拠は、ズバリ「その程度は努力しなさい!」との一言です。
大人だって体型維持のためにジョギングをしたり勉強したり、嫌なことにある程度は時間を費やしています。
今日勉強してきたことの復習を1教科あたり5分行うことで記憶への定着を促進し、10分で予習します。
予習の方が時間が多いのは、まだ習っていないことを自分なりの考え方で答えを出そうとして「できなかった」というモヤモヤを引きずった状態で授業を受けるためです。
モヤモヤを抱えた状態で授業を受ければ、まずどうやって正答を導き出すのか早く知りたいという気持ちが生じます。
この気持ちがあれば、先生の話を集中して聞くことができるようになります。
そして、正答の導き方が授業で理解できて「スッキリ!」という経験をすれば、漫然と頭に残った場合と比べてより強く記憶に定着します。
15分の勉強を6時限分で1時間半です。
小中学生くらいまでなら、何時間も机に向かう必要はありません。
偏差値60程度で良ければこれで充分です。
もちろん、もっと高みを目指す人はいるでしょう。
そういうお子さまは、このような仕掛けを家に施さなくたって自主的に何時間だって勉強できます。
ここで申し上げているのは、あくまでカツオくんの話です。
アニメでは30点前後であることが多いカツオくんが、毎日放課後遊び歩く生活をしながら毎度毎度100点を実現できれば良い(小学校のテストは少し勉強すれば簡単に100点が取れるので、偏差値60相当の学力は不得意教科80点、その他は95〜100点です。)と割り切った内容です。
高校生になったら、留年しない限りは子どもの勉強に親は口出しすべきではありません。
カツオ君は既に偏差値60です。
偏差値55〜64は5段階評価の4です。
そもそも「普通」とは5段階評価の「3」であり、偏差値に換算すると45〜54ですから、カツオ君は既に優秀なのです。
偏差値60は少し勉強すれば取れますが、65以上(5段階評価の「5」)は容易ではありません。
学業で上を目指したいならいいと思いますが、そうでないなら5段階評価の4と5の差分のエネルギーを他に使うべきです。
教養は非常に大切です。
私も、仕事がらもっと科学計算ができればいいのにと思うこともあれば、ミュージカルを観れば世界史をもっと真面目に勉強すればよかったと思うし、電子部品調達や電子基板の海外製造などの貿易事をしている時はもっと英語を真面目に勉強すればよかったと強く後悔しています。
でも、趣味や遊びから着想したビジネスで糧を得るようになって、結果的に教養が必要になりました。
人生の目標がなければ、少なくとも私は教養が必要なシーンはなかったと思っています。
言うまでもなく趣味などの熱中できるものの中で目標を見つけることが勉強の近道です。
打ち込める何かに取り組む姿を上から眺めながら何か手伝えることはないか考えたり、相談を持ちかけられた時の心の準備をします。
それが親に話せないようなものならば机の上で活動することはないでしょう。
でも、姿が見えなかったとしても部屋の奥で何か頑張っている気配を感じることはできるはずです。
アニメでも、子のために何かできないかと行動に出て全て空回りする波平さんのエピソードを何度か放送で目にしたことがあるでしょう。
だいたいは「余計なお世話」になってしまうことが多かったのではないでしょうか。
でもこの仕掛けなら子が元気に活動していても、落ち込んでいても、全てを肌で感じることができるので、優しさが空回りすることは少なくなるのではないでしょうか。
ホールには洗面化粧台も設置しています。
2〜3年先にはワカメちゃんがメイクのために朝、洗面所を独占することになるからです。
2階でコーヒーをいれるための水を確保するのにも役に立つでしょう。